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大学職員の役割は 3

投稿日:2024年 08月 06日

 大学という組織は、言うまでもなく教員と職員で構成されている。そしてこの両者が、働き方も意識も異なっているというところが、大学組織の特性となっている。企業でも製造と営業といった、異なる業務を担当するという例はもちろんあるが、大学の場合、教員は拘束される勤務日数も少なく、出勤する時間帯も自由度が高いのに対し、職員の場合は日数も時間も厳格に決められている。また、大学への帰属意識に関しても、教員の場合は流動性が高いため、あまり強いものにはなりにくいのに対して、職員の場合、大学間の流動性は少ないため、帰属意識は強いというように、両者は大きく異なったものとなっている。

 大学を変えていくためには、教員との協働は避けて通れない課題であるが、働き方も意識も異なる両者が実質的に協力し合うためには、相互理解と相手を尊重し合うということが不可欠となる。これは、これまでの私の体験から感じているところであるが、教員の特性は専門性であるため、相手に専門性が認められると、その相手を尊重するようになるということである。したがって、実質的な教職協働を可能にするためには、職員の専門性を高めることが急務であると思っている。

職員の専門性とは、スペシャリストということではなく、ジェネラリストが持つ専門性ということである。すなわち、広い視野と見識を持って状況を適切に判断し、周りの人たちを巻き込みながら改革を進めていくことのできる力を持つということである。そのようなスーパー職員になることが、学生にとって、社会にとって、教職員にとって「いい大学」をつくるためには必要なことになると思う。