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現状を不断に点検

投稿日:2021年 09月 11日

 これまでの大学では、前年のやり方を特に意識せずに踏襲していたという状況が多かったのではないだろうか。一つの仕事が終わった後には必ず振り返りを行い、PDCAのC(Check、点検・評価)、A(Action、改善)のサイクルを回して要改善点を見出し、改善につなげているというケースは、そう多くないように思われる。特に、その業務が支障なく遂行できた場合には、あえて振り返りの機会を持つ必要性を感じにくいので、そのままにしてしまうケースも多いのではないだろうか。

 また、新規採用が抑制され、定年以前に辞めるケースは極めて少ないという大学職員組織においては、勤務年数の長い職員の比率が高くなってきているという状況があると思われる。そのような組織の場合、豊富な経験上の知識を持ち、これまでの仕事の進め方について熟達している職員は多いので、効率的に仕事を処理していくという面では優れているが、これまでのやり方にとらわれずに、自分の頭で考えて、さらに良いやり方を見出していこうという姿勢にはつながりにくいように思われる。

 大学を取り巻く環境の変化に伴い、このような状況を改める必要があるといわれても、長い間に身に付いたものはそう簡単には変えられない。また、変えるということは少なからぬエネルギーを伴うことであり、これまで自分のしてきたことを否定することにもなりかねないので余計である。したがって、このような状況を変えるためには、何か仕掛けが必要となる。そのためのフレームワークの一つが、プラス・マイナスで考えるというものである。

 プラスには、新たに取り入れるということと、これまであったものを増やすという二つの要素があり、マイナスには、取りやめるということと、これまでのものを減らすという二つの要素がある。これをマトリックスにして、大学の取り組みを考えてみるのである。そうすると、微修正でない根本的な見直しが可能となる。

 例えば、どこの大学でも毎年つくっている大学案内。これを例に考えてみると、今までは前年度の掲載項目を基本的には踏襲し、内容が変わった部分を修正して制作するという例が多かったように思われる。それを、読み手である受験生等が持っているニーズや感じている不安、そして読み手に与える効果といった点から見直してみるのである。そうすることで、これまで当たり前のものとして考えていた掲載内容を点検することができ、より良いものとすることができるのである。

※大学案内プラス・マイナス・マトリックスの記入例


(新たに取り入れる)
学生の成長ストーリー      

(増やす)
学生の声 学生支援システム
(取りやめる)
イメージ中心なページ  

(減らす)
学長の挨拶
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