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本当に顧客志向になっているか

投稿日:2009年 12月 19日

誰のことを考えているのか

先日、東京に泊った際にある居酒屋に入った。

居酒屋といっても駅の近くのビルの最上階にある店で、夜景もきれいで、雰囲気も悪くない店であった。一人で本を読みながら飲もうと思い入ったのだが、案内された席はカウンター席で、しかも賑やかに飲んでいるグループの隣の席であった。案内したアルバイトと思われる女性は、おそらく「一人の客はカウンターに案内する」といった店のマニュアルに従ったのであろう。

しかしここでお客のことを中心に考えてみたらどうなるのだろうか。本を持って入ってきたこの客は、飲みながら本を読みたいのだな。そうであれば、店も混んでいないのだから、静かに本が読める席に案内しようと考えるのではないだろうか。この場合、カウンターに案内しても静かな席に案内しても、どちらも店にとって不都合はないのである。でも本を読みたい客にとったら、賑やかなカウンター席は最悪であるのに対し、静かな席は満足度が大変高いものになるのである。どちらの対応をされた場合にリピート客になるのかは、明白であろう。

 学校であれ企業であれ、組織にとって必要なことは共通であると思う。一番大切なことは、どこでも言われていることであるが、『顧客志向』であることであろう。前述の居酒屋の例のとおり、顧客で無くマニュアル志向であったり、目先の利益優先であったりでは、顧客の満足度は高まらないのである。売り上げノルマを撤廃し、来店客の満足度向上を志向して業績を回復した資生堂のケースが、そのことを良く示している。